ハレー彗星のかけらが、降ってくる夜。オリオン座流星群2026と、関東の観察スポット6選

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毎年10月下旬になると、地球はハレー彗星が残していったちりの帯を横切ります。帯の中には彗星から放たれた細かなちりが漂っていて、それが地球の大気に飛び込んで燃え尽きると、地上からは流れ星に見えます。これがオリオン座流星群です。

2026年の極大は10月22日ごろです。極大の夜は月が明るいものの、東京では22日の午前1時24分に月が沈み、そこから明け方までは暗い空で流れ星を待てます。この記事では、今年の観察条件と、関東近郊で空の暗いスポットを6か所まとめました。

オリオン座流星群とは

オリオン座流星群のもとになっているのは、およそ76年ごとに太陽へ近づくハレー彗星です。彗星は太陽に近づくたびにちりを放ち、そのちりは彗星の通り道に沿って帯のように残ります。地球は毎年同じ時期にこの帯を通過するので、オリオン座流星群も毎年10月に見られます。

地球はハレー彗星の通り道を5月にも横切ります。5月上旬の「みずがめ座η(エータ)流星群」も、もとは同じハレー彗星のちりです。ハレー彗星そのものが最後に太陽へ近づいたのは1986年で、次に戻ってくるのは2061年です。本体を見られる機会は一生に一度あるかどうかですが、そのちりは毎年2回、流れ星になって届いています。

流れ星は、空のある一点から四方へ飛び出してくるように見えます。この一点を「放射点」と呼び、オリオン座流星群の放射点は、オリオン座の赤い一等星ベテルギウスの北東、ふたご座との境のあたりにあります。ただし流れ星は放射点の周りだけでなく空のあちこちに現れるので、方角を絞らず、空を広く見渡すのが観察のコツです。

2026年の見頃と観察条件

1. 極大はいつ?

2026年の極大は10月22日ごろと予報されています。見頃は極大をはさんだ前後数日間の、夜半から未明にかけての時間帯です。なかでも21日の夜から22日の明け方が中心になります。

2. 月明かりの影響は?

極大のころの月は月齢11で、満月に近い明るい月が夜のはじめの空にあります。東京では22日の午前1時24分に月が沈むので、そこから空が白み始めるまでの3時間ほどが、今年いちばんの狙い目です。この時間帯には放射点も空高く昇っていて、流れ星が見えやすい条件がそろいます。

3. 1時間にいくつ見える?

天の川が見えるほど暗い空で、1時間に5〜10個ほどが目安です。街明かりのある場所では、その数分の1に減ります。夏のペルセウス座流星群ほど多くはないので、数を競うより、次の1個を待つつもりで空を眺めるくらいがちょうどよい流星群です。

関東の観察スポット6選

流れ星の数は空の暗さで大きく変わるので、街明かりから離れた山や湖を中心に選びました。観察の本番は深夜から明け方で、この時間は路線バスが走っていないため、車での移動を前提に紹介します。

1. 戦場ヶ原(栃木県日光市)

奥日光の標高約1,400mに広がる高層湿原で、日光国立公園の中にあります。もとは男体山の噴火でせき止められてできた湖でした。男体山などの山々に囲まれ、まわりに大きな街がないため、関東近郊では指折りの暗い空が広がります。標高が高いぶん冷え込みも厳しいので、真冬に近い服装で出かけてください。

  • 所在地:栃木県日光市
  • アクセス:日光宇都宮道路の清滝ICから国道120号(いろは坂)を上り、中禅寺湖を過ぎた先

2. 赤城山・大沼(群馬県前橋市)

赤城山の山頂部にある大沼は、標高約1,350mの湖です。ふもとの街から離れているぶん、平地よりずっと暗い空が広がります。晴れて風のない夜には、湖面に星が映り込むこともあります。

  • 所在地:群馬県前橋市富士見町赤城山
  • アクセス:関越道の前橋ICから車で約60分

3. 堂平天文台(埼玉県比企郡ときがわ町)

堂平山の山頂にあり、昭和37年に「東京天文台堂平観測所」として開かれた施設です。いまは「星と緑の創造センター」として、宿泊とデイキャンプができる施設に生まれ変わりました。夜間は門が施錠され、敷地に入れるのは宿泊者と星空観望会の参加者だけです。月が沈んだあとの未明に観察するなら、宿泊を予約して泊まりがけで出かけることになります。

  • 所在地:埼玉県比企郡ときがわ町大字大野1853
  • アクセス:関越道の東松山ICから約29km(約1時間)
  • 利用:宿泊・星空観望会とも要予約。12月25日から2月末までは休業

4. 美の山公園(埼玉県秩父市・皆野町)

秩父盆地を見下ろす蓑山(標高581.5m)の山頂一帯を整えた、埼玉県の公園です。公園は年中無休で常時開放されていて、3か所ある駐車場も常時使えます。夜景や雲海の名所でもあり、盆地の街明かりを見下ろせますが、そのぶん秩父市街の方角の空は明るくなります。流れ星を待つときは、街明かりを背にして空を見上げてください。園内に夜間照明はないので、足元を照らすライトも忘れずに。

  • 所在地:埼玉県秩父市・皆野町
  • アクセス:関越道の花園ICから国道140号を秩父方面へ進み、皆野町役場入口交差点を左折して約55分

5. 奥多摩湖(東京都西多摩郡奥多摩町)

多摩川をせき止めた小河内ダムの人造湖で、周りを山に囲まれています。都心の明かりから離れているため、都内では星の多い空を見やすいエリアです。湖沿いを国道411号(青梅街道)が通っています。一方、湖から檜原村方面へ抜ける奥多摩周遊道路は夜間通行禁止で、10月から3月は9時から18時までしか通れません。夜間に車を止められる場所は、出かける前に確かめておきましょう。

  • 所在地:東京都西多摩郡奥多摩町
  • アクセス:国道411号(青梅街道)沿い

6. 本栖湖(山梨県富士河口湖町・身延町)

富士五湖のいちばん西にある湖です。周りに大きな街がなく、晴れた夜には富士山の黒い山影と星空を一緒に眺められます。湖畔には無料の駐車場があります。湖面の標高が約900mあり、10月下旬の明け方はかなり冷え込むので、防寒着をしっかり用意してください。

  • 所在地:山梨県南都留郡富士河口湖町・南巨摩郡身延町
  • アクセス:中央道の河口湖ICから車で約30分

観察のコツ

  • 望遠鏡や双眼鏡はいらない:流れ星は空のどこに現れるか分かりません。視野の狭い道具を使うと見逃しやすいので、肉眼で空を広く見渡します。
  • 目を暗さに慣らす:明るい場所から暗い場所に移ると、目が慣れるまで15分ほどかかります。その間はスマートフォンの画面を見ないようにすると、暗い流れ星まで見えるようになります。画面を見るときは明るさを最低まで下げてください。
  • 真冬の服装で:気温は標高が100m上がるごとにおよそ0.6℃下がり、標高1,400mの戦場ヶ原なら平地より8℃ほど低くなります。明け方は一日でいちばん冷え込む時間帯でもあるので、ダウンジャケット、手袋、帽子、カイロを用意してください。
  • 寝転んで30分は待つ:1時間に5〜10個ということは、数分から10分以上なにも流れない時間もあるということです。レジャーシートや折りたたみのいすで楽な姿勢をとり、少なくとも30分は空を眺めてみてください。
  • 夜の山道と駐車場に注意:深夜の山道は暗く、シカなどの動物が飛び出すこともあります。速度を落として走り、道路の通行規制や、駐車場を夜間に使えるかどうかは、出かける前に各施設や自治体の案内で確かめてください。
  • 曇ったら日をずらす:見頃は極大の前後数日間あります。21日の夜が曇りなら、20日や22日の夜に出かけても楽しめます。東京での月の入りは、20日の夜から21日の未明にかけてが午前0時23分と早く、22日の夜以降は遅くなっていきます。

よくある質問(FAQ)

Q. 何時ごろに見るのがいいですか?

流れ星は放射点が東の空に昇る夜のうちから現れ始めますが、数が増えるのは放射点が高くなる夜半過ぎからです。2026年は月明かりもあるので、東京で月が沈む22日の午前1時24分から、空が白み始めるまでの時間帯がおすすめです。

Q. 都内の公園でも見えますか?

明るい流れ星なら都心でも見えることがありますが、街明かりの中では、見える数が暗い場所の数分の1に減ります。都内で探すなら、山に囲まれた奥多摩のような地域が候補です。

Q. どの方角を見ればいいですか?

流れ星は空のどこにでも現れるので、方角を気にする必要はありません。街明かりや月が視界に入らない向きを選び、建物や木に遮られず、空が広く見える場所で見上げてください。

まとめ

オリオン座流星群は、ハレー彗星が残したちりが、毎年10月に流れ星となって地球に届く現象です。2026年の極大は10月22日ごろで、東京では午前1時24分に月が沈んでから明け方までが狙い目になります。暗い空を求めて山や湖まで出かけるときは、真冬の服装と夜道の安全を第一に準備してください。

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